■GOMI TARO ANNEX オープン記念インタビュー 〜五味太郎 GOMI TARO ANNEX を語る【前編】
〈アネックスを始めた動機って、今までの意識を整理したってことかな。〉

インタビューに軽快に応じる五味太郎師匠
絵本、つまり“本を作る”ということが、やっぱりオレは得意だなぁって思ったわけ(笑)。とっても好きだなぁ、価値があるなぁって。そういうことに改めて気が付いたことがあったんだ。本を作って生きてきたのはいいなぁって50代の半ばくらいに思ったの。ただ、他のことも全然嫌いじゃないし、今までもいろいろやっていたんだけど、本を作るって作業を一回自分の中でまとめたときに、その“他のこと”ってことが反語的に出たんじゃないかと思うんだ。しかも、この“他のこと”っていうのが実に楽しいことで、アネックスというのは、つまり今までの意識を整理したってことなんじゃないかと思うんだ。そう、自分の中でカテゴライズしてみたんだ。本を作るっていうことと、そうじゃないものというふうに。まあ、たとえて言えば、自分の人生のオンナっていうのと、そうじゃない女友達っていうのを一回整理したってことかな(大笑)。
⇒続きは、More…へ 〈自分の根っこを探っているのかもしれない。〉
本を作って出版するっていうのが、オレの中で再評価したときに、うん、まあうまくいっているんだろうな。だからこそ、“そうじゃないもの”っていうのを一回まとめてみたくなった時期があったのだと思う。つまり、アイデアを出し、本を作るときに、オレはどういう思考形態でやっているんだろうかと…。そう、自分の根っこを探っているってことがあるのかもしれない。そして客観的に考えてみると、根っこはいっぱいあるんだな、本を作るために本を作っているわけじゃないんだな、と思ったわけ。いろんなことを経て本が出来上がっていくわけだよね。今までもTシャツ作ったり、子供服を作ったり、CFを作ったり、こういう雑多なことをしてきたけど、本を作るということと同じように、ものを作るっていうのは、オレの一部分としてあるんだよな。そして、本そのものは、そんな中からふうっと立ち上がってくるものなんだよね。さらに言えば、本を作る過程で、いろんなカオスがあるわけだけど、そんなカオスの中に面白いものがいっぱいあって、それを少し具体的にしてカタチにしたのがアネックスなんじゃないかと思う。
〈アネックス作品は“本になり得なかったもの”。〉

中華どんぶりのラフスケッチ
商品ラインナップの中に、『中華風のどんぶり』ってあるよね。これを食器屋さんが食器のデザインのひとつとして作ったということとは違うんじゃないかな。こういうインタビューになると、みんなエラソーに解説するけど、もっとオレの発想はもっとだらしないわけ(笑)。たとえば普段の暮らしの中でラーメン食うよね。で、ラーメン鉢からオレの絵が出てきたら楽しいなって思うわけ。『中華風のどんぶり』には、竜とか鳥とか亀とかが出てくるけど、こういった絵はしょっちゅう絵本の中にも出てくるし、たとえば竜なんかは、ここで空に竜が飛んだらたのしいな!って、描いたりするわけ。もちろん、竜が出てくるようなストーリー展開の中でだけれども・・・。『中華風のどんぶり』においても、ラーメン食ってるときに、竜が出てきたら楽しいなって思うのさ。片方は絵本で、もう片方は中華どんぶり。本当にくだらないかもしれないけど、精度を上げていくと、絵本と中華どんぶりっていう二つのものができてしまうんだよ。これがオレの言う、製作過程でのカオスのドロドロの中から出てきて、結晶化し、ものができ上がるっていうことじゃないかな。特に本においては、オレは慣れているの。ついでに別のものも結晶化するんだぜって感じかな。オレの人生ってほんとこんな感じだね。

中華風の器
(⇒お話の続きは9月13日更新です)
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